2012年11月20日火曜日

抹茶パッケージ



宇治茶が、もっと日々を潤す存在になるようにと、
お手伝いをさせていただいている「山本園茶舗」さんの抹茶専用パッケージ。

抹茶の粉末は、原料である「てん茶」を粉砕した粒子。
その細かさは、1020μm(マイクロメートル=0.001mm)ほど。
人間の舌がざらつきを感じるのは、

粉末の粒径が30μm以上の時と言われているから、
抹茶の粉末は、舌にざらつきを感じさせず、
それでいてまろやかさを感じさせるのに丁度良いパウダーなのです。

…なんてことを知ってしまった以上、
そのパウダー状態を保つために、ふんわりとくるむ形状でなければならない。
キャラメル式のような箱だと、入れる時に底に当たって少なからず圧がかかる。
包装紙のように上下を固定することなく、手早く包めるようなのが良い…などなど、
試作を繰り返してベースの形状を決めました。

今日は採用する紙を選びました。
抹茶を守るためのパッケージであって、
発送に耐える弾性が必要ということで、「マイクロフルート」と呼ばれる
超極薄のダンボール素材を使用。(0.50.6mmという薄さながら、しっかりと二層構造)

当初は、右下の「白無地」でいく予定だったのですが、
できるだけ自然素材の色味にという思いから、
「茶色」「緑色」の2案を加えた最終3案で検討。

左下の「茶色」は、ヤシの繊維を使ったもので、
ちょっと珈琲のパッケージを思わせる面白さを感じたのですが、
選ばれたのは中央、笹の葉の繊維を使った新素材を使った「緑色」。
(途中、茶殻の再生素材を使うという案も上がったのですが、
香りがついた特殊紙ということで却下)
お客様のご意見、反応が楽しみです。

2012年11月8日木曜日

おあつらえ

ある京友禅師の作業場にお邪魔した。

「おあつらえ向き」は、英語で「well suited」と訳される。
なんてことを職人さんに伝えたところ、
ふふっと、微妙な笑みを浮かべられた。

「あつらえる」とは、
自分の思いどおりに作らせる。注文して作らせる」という意味の通り、
あくまで依頼する側が主体だ。

「あつらえ」は、「誂え」と書く。
「言」+「兆」(二つに分ける)という文字の通り、
挑発するという意味をどこかで含んでいるとも言える。

依頼者の「言」に、「手」で応えるのが職人。
言うなれば、「挑」なのかもしれない。
そら、しんどいやろうなあ。
それだけに、うまくいったらうれしいやろうなあ。

2012年11月1日木曜日

千鳥が住む場所

加茂川や清き流れに千鳥すむ」という
古歌にちなんで名付けられたという「千鳥酢」。

ワインがヴィネガーになるように、
米酢は清酒から造られ、食酢が盛んに作られるようになった
江戸時代には、「酒どころ」は「米酢どころ」だったとか。

江戸の頃、酒どころの伏見にほど近い鴨川のほとりには、
酢作りをする業者が軒を連ねていたが、
その頃の酢は、鴨川で友禅流しをする色止め用に使われていたとか。
「千鳥酢」の村山造酢も、そういった造酢業者のひとつだった。

現社長のインタビューで印象的だったのは、
「土地の食材との相性が良いのは、その土地で作られた調味料」という話。

確かに食というものはそういうものなのだろうなと。
かつて海外に輸出していた時のラベルを見ながら思う。
千鳥は加茂川の清き流れに住むものなのだ。
無理に海を渡らせるものではないのかもしれない。