2013年4月11日木曜日

宝瓶の試作

とある清水焼の作家さんにお願いしていた
「宝瓶」の試作品が上がった。

「宝瓶(ほうひん)」は、玉露を入れるときに使用する急須の一種。
ごく簡単に言うと、「取っ手のない急須」である。
抽出温度の低い(60度前後)お茶を入れるためのものなので、その必要がないのだ。
「絞り」と呼ばれることがあるように、手の中に納めて「最後の一滴」まで出すことができる。

これが、なかなか手に入りにくい。
京都市内の某百貨店さんでは、店頭はおろか、
取り寄せカタログでも扱っていない。
日本茶も紅茶も入れられて、家族用にも来客用にも使える

ティーポットに押されて、小型で、取っ手のない「宝瓶」は、
「売れない商品」として姿を消してしまうのかもしれない。
…ということから、作家さんに話を持ちかけたという次第。

 

玉露の茶葉が開くのに十分な広さを持ちながら、
注ぐ時に茶葉が動き過ぎないような形状であること。
注ぎ口は、葉が詰まることもある茶漉し式ではなく、
茶がスムーズに流れながらも、葉が漏れにくい開放型にすること。
蓋や外周は手に収まりやすい形状にすること。

…などなど、理想とするポイントを上げたところ、
相当苦心されながら、作家さんが(現時点で)たどりついたのは、
サンプルとしてお渡ししていた、古い宝瓶に近い形状だった。


 

オリジナリティを加えるには、手ごわいアイテムだということが分かったのが、
今回の試作品と打合せの大きな成果だ。
それでもやはり、現物を手に取ると、様々な気付きや、
手を加えるべき点が出てくるのが面白い。


























急いては良いものを作ることはできないと分かっているけれど、
でも、急須だしなあ…いやいや。

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